『ヨシアキは戦争で生まれ戦争で死んだ』を読み終える [本]
読んでみようかと思ったのはfinalvent氏のリツイートした、サンドラさんのツイート、https://twitter.com/SandraHaefelin/status/500089265850576896
がきっかけだったと思う。
夏借りてもう一度借りて読み終える。
なかなか気持ち的に読み進むのが大変で時間がかかってしまったが、自分の個人的な感想を書いてみる。
ヨシアキ、アメリカ名スティーブ゠フラハティは戦争のため日本で生まれ、そして戦争のためアメリカ人としてベトナムで死んだ。
言葉も話せないままアメリカでの生活ではあったが、周囲の暖かい支えもあり、徐々に人生の基盤を固め、希望もあった人生だったろうが、一瞬でそれが止まってしまう戦場の過酷さを思い知らされる。
また、一身に苦労を背負い込んでしまったヨシアキの母を助けるような社会ではなかったのが日本だったのも気が重い。過去形なのかどうか。
言葉も分からない国へ一人で行かねばならぬというのは心細かっただろう。
エリザベスサンダーズホームを出るとき園長から日本のお土産にと持たされた箸と箸箱、スティーブ(ヨシアキ)は最初の大切な友人ダニーへギフトとして渡す。
「小さなおもちゃ箱の中の小物だけが、スティーブが日本から持ってきた持ち物であり、その中からもっとも大切にしているものを、ダニーへのギフトに選んだのだった。」
大事な記念品として大切にしまって置いたほうが良いのではないか、というのが最初読んだとき自分の頭にあった考えだ。ただその時スティーブ(ヨシアキ)の持っているもので、ギフトになると考えたものが箸と箸箱の他にはなかったのだろう。
本の最後の方にこの本の筆者が2006年に訪れた時に、ダニーはその大切に持っていた箸箱を見せてくれる記述がある。ダニーはヨシアキに良くしてくれ、ダニーにも大事な思い出の品になっていた。このギフトは生かされた品だ。大切なものは大切な人にギフトとして渡すのだ、ということを知らされた。
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